UX Kanazawa Vol.4に行ってきました
愛読中のブログ[could]を書かれている長谷川恭久さんが講師ということと、今週のメディアデザイン演習6の内容がペーパープロトタイプの制作ということもあって、金沢まで日帰りで UX Kanazawa Vol.4に参加してきました。
ペーパープロトタイプについては、長谷川さんのサイトの「紙プロトタイピングから始まる問題解決への議論」のppt資料に詳しく紹介されています。
実際、これまでの仕事でも様々なタイプのプロトタイプを制作してきたのでそれ自体全く抵抗はないのですが、グループ内でのシナリオのまとめ方は結構難しいと感じました。これは、学生にやってもらう時も同様で、調査分析ステップを共有しないでシナリオを書く場合、各自の経験の中で問題と感じたり解決アイデアを持っている箇所がそれぞれ異なるからなんだろうなぁ。ワークショップは時間も限られているので、落としどころをピンポイントで見つけることができるかどうかが(実際の仕事としてそれでよいかどうかとは別にして)その場なりのテクニックとしては「あり」なんだとも思うけれど、今回はちょっと「そもそも論」的なところでひっかかってしまってあまり前に進めなかった感じ。
とは言え、やはり要件定義とプライオリティ付けはUI開発のプロセスとしては核になる部分だから、初対面のお二人とここで議論できたこと自体はワークショップとしての収穫でした。
あと、私は自分の中での結論から逆算しすぎる癖があるかも…というところも見つけられたので、これは素直に反省しなくてはね。もうちょっと素直な体験観察からシナリオ書けば良かった。いや、これは本当に当たり前のことだし、通常の仕事ではそうしているつもりではあるのだけれど。
現場で制作したシナリオはあまりにも文字が汚かったのでちょっとだけ直したものが下記。
ワークショップの後半はペーパープロトタイプの制作。他のチームは皆で検討して誰か1人がまとめて画面を描かれていたところが多かったけれど、私のチームはミニミニスケッチでアイデアを展開しながら全体仕様をざっくりと話合った後、1〜2画面ずつ分担して制作しました。それをまとめたのが下記。
会場の様子はいちがみさんがUX KanazawaのFBページにまとめて下さいましたが、プレゼンはこんな感じ。ここは同じ会社のデザイナーチームで、とても良くまとまっていました。
参加されていた皆さんの職種はいろいろでしたが、それぞれプロだということもあって、座学を含めて3時間半でここまで出来るんだということも実感。スピード感はやはり必要。
シナリオをグループワークで制作することの意味や難しさについては、直接長谷川さんにお聞きすることができました。「個人でやってもらった方が効率ははるかに良いんだけど、考え方やアプローチが千差万別であることに気づいてもらうことの方がワークショップとしては大切だと思っている。」とのことで、それは確かにそうだなぁと納得。
ただ、授業では自分で考えた全体の流れのなかで納得してプライオリティを付けることができるよう、シナリオもペーパープロトタイプもまずは個人で制作してもらって、各段階で他の人からの評価を受けるという方法で行こうと思います。
そのほかにもいろいろと気になっていたことについて、懇親会で様々な立場の方とお話しさせていただくことができて、とても参考になりました。中でも、
- エンジニアの我々もUXデザインにしっかり参加しようとし始めている。
というPFUの松山さんの言葉や、
- デザインには正解はない、もしくは、デザインには正解に至る(かもしれない)方向は無数にある。だからこそプロトを作って共有する。
- デザイナーはカンプだけではなく、もっと途中段階のものを開示する勇気を持って欲しい。
- マルチディバイスやタッチディバイスに対応するノウハウを我々はまだ持っていない。
- デザイナーフレンドリーなプロト制作ツールがたくさんリリースされ始めている
という長谷川さんの言葉が特に印象に残りました。
2012.10.21[日]10:40 PM | UI Design