Outputの年に
新年おめでとうございます。
昨年の年賀状はちょっと暗かったので、今年は思いっきり明るいデザインにしました。
このデザイン、見たことある人は(ごく少数ですが)見たことありますよね(笑)
実は、昨年のヒューマンインタフェースシンポジウムのポスターにオーバルプランから応募したものをリサイクルしたものです。
昨年の卒業式の日に起こった大震災。
晴れやかなパーティーでお酒を飲みながら津波の映像を見てしまった。
誰にとっても忘れられない日になった3.11。
何ができるんだろうと考えてきた2011。
ボランティアで現地に行こうと何度も誘われたりもしたのだけれど、体力全然ないし、現場で役立つような技術ないし、わがままだし、恐がりだし・・現場派ではないとつくづく実感した日々に、「ポジティブ」をテーマに東北で開催されるシンポジウムのポスターを考えるのは、自分にとってはちょっとだけ救いになりました。
もともと2011年のシンポジウムは東北大学で開催予定でテーマも最初から「ポジティブ」でした。最初のサムネイルを作ったのは3月8日で震災直前。自分で見ても「テーマ、ポジティブ?うん、まあ、そうだよね。」っていう範囲のデザインですね(笑)
ま、サムネイルはともかくとして・・・
震災後、一時は東北での開催も危ぶまれたものの、HISシンポジウム2011は場所を変えて仙台国際センターで開催されました。残念ながら後期授業の初日とかぶってしまって行けませんでしたが、盛況だったようです。
ポスターのコンセプトシートに書いたテキスト、再録しておきます。
離れた人やモノをつなぐこと。
それがインタフェースの役割。多くの地域が被災し、
多くの人やモノが分断された今だからこそ、
より豊かに、より暖かく、
私たちはつなぎ直さなくてはならない。ネットワーク技術を携え、
ポジティブな希望と意志を持って、
人の力をつなぎ、
人の心を支えあう、
そんなヒューマン・インタフェースを考えよう。
そんなこんなで今年の初ブログは年賀状の背景をご紹介してみました。
できそうだと思ったことにちょっとだけでも参加しつつ、毎日を誠実に過ごしていきたいと思っています。
旧年中はいろいろお世話になり、ありがとうございました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
あ、ちなみに、ヒューマンインタフェースシンポジウム2011で採用されたポスターは、オーバルプランの川上修平さんデザインのカリグラフィー案でした。こちらは、「ポジティブ」というテーマを全面に出した、力強くて素敵なデザインです。
このポスターのもうひとつすごいところは、印刷しないでPDFで配布したところ。必要に応じて必要なサイズで必要な数だけ出力してもらう。これも一つのデザイン提案だと思いました。
2012.01.01[日]5:03 PM | Graphic design